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Netflix「事件現場から:セシルホテル失踪事件」の感想【ネタバレあり】

「事件現場から:セシルホテル失踪事件」の感想

「セシルホテル失踪事件」を知っていますか?

セシルホテルで21歳のエリサ・ラムという女性が失踪後、ホテルの貯水槽から遺体として発見された事件です。

名前を知らないという方でも、未解決事件や不思議な事件を調べたことがある方なら動画を見たことをあるかもしれません。

赤い服を来た女性がエレベーターを出たり入ったり、外の様子を伺うような奇妙な動きをしたり、なぜかエレベーターのドアが閉じないという内容です。

彼女の死因は事故死と判断されましたが、奇妙な動画からいまだに陰謀論やオカルトだとネットで話題になることのある事件です。

この「セシルホテル失踪事件」を扱うドキュメンタリー番組「事件現場から:セシルホテル失踪事件」がNetflixで公開されました。

当時の捜査を行った刑事や検察官、ホテルの支配人、さまざまな関係者にインタビューを行い、事件を振り返っていく内容です。

私は「セシルホテル失踪事件」について深く知りもせず、動画だけで「怖い!」とか「オカルト!」とか思っているタイプでしたが、番組を見て事件の詳細を知ることで色々考えさせられました・・・。

エレベーターの動画を見たことはあるけれど、事件の詳細を知らないという方にはぜひ見てもらいたい内容だと思います。

概要


ドキュメンタリー番組「事件現場から:セシルホテル失踪事件」は「セシルホテル失踪事件」を扱ったドキュメンタリー番組です。

事件に関わったさまざまな人たちのインタビューで構成されています。

事件を取り扱った刑事や検査官、ホテルの支配人事件を直接知る人物や、ホテルがあるロサンゼルスに詳しい学者までさまざま。

はたまた未解決事件を解決したいというホテルに行って調査をする考察系Youtuberまで登場します。

セシルホテル失踪事件とは

2013年2月19日、エリサ・ラムがセシルホテルの貯水槽から遺体として発見された事件です。

1人旅でロサンゼルスを訪れていた21歳のエリサ・ラムが失踪。

旅行中毎日、カナダにいる両親に欠かさずに連絡していたにも関わらず突如連絡が取れなくなり、不審に思った両親が警察に連絡。

警察の捜査によってセシルホテルが出ていないことが発覚し、捜査をするものの、行方不明のまま日が経ちます。

その後、「水道から濁った水が出てくる、味が変」という客からの苦情からホテルの作業員が貯水槽の確認に行ったところ、エリサ・ラムの遺体が発見されました。

失踪中にエリサ・ラムが最後に映ったエレベーター内の監視カメラの映像が公開され、奇妙な動きや何者かに追われているような仕草から何か事件性があるのでは?と話題になりました。

いまだにオカルトや未解決事件として日本のネットでも怖い未解決事件の動画として取り上げられることがあります。

詳細

「事件現場から:セシルホテル失踪事件」の内容を簡単にまとめました。

注意
ネタバレを含むため、自分の目で確認したい方は飛ばしてください。

セシルホテルとは

「事件現場から:セシルホテル失踪事件」セシルホテルについて

「セシルホテル失踪事件」の舞台となったのがロサンゼルスの中心街に位置する「セシルホテル」です。

観光客が安く泊まれて、見た目やロビーはゴージャス。立地も最高。

ですが、エレベーターを上がった先にある部屋は汚く、外に出るとホームレスで溢れかえった街。

実はさまざまな背景のあるホテルでした。

セシルホテルの歴史

1920年代に建設されたホテルですが、恐慌によって周辺が荒廃し、街は失業者で溢れ返りました。

また、1970年代から行われた封じ込め作戦が行われ、失業者やホームレスの支援施設は全て「セシルホテル」の建つスキッドロウという地域にまとめられます。

それによって、スキッドロウは失業者やホームレス、刑務所帰りの人間で溢れかえり、数千人におよぶホームレスが住む街となりました。

その際に「セシルホテル」は安く長く滞在できるホテルとして利用されることに。

ホテル内はとにかく治安の悪く毎日傷害、窃盗、薬物などの事件が絶えず、1日2〜3回は警察を呼ぶことが当たり前。

連続殺人鬼が潜伏していた過去までありました。

ステイ・オン・メインとして再スタート

支配人はホテルの悪評を打開するためにホテルを2階層に分けることを決定。

上層階は今まで通り低所得者が住める「セシルホテル」、低階層は観光客向けの「ステイ・オン・メイン」に。

旅行サイトからは別々のホテルとして予約できるようにし、受付も「セシルホテル」、「ステイ・オン・メイン」で分け、それぞれの客が接触しないようにしました。

いくらホテルを立て直すといっても何も知らない観光客を騙すような真似をするのはありえないだろ・・・という気もしますが、「ステイ・オン・メイン」の口コミはそこまで悪くなかったそうです。

しかし、エリサ・ラムの失踪によってホテルの背景が明るみになります。

謎が多い事件

「事件現場から:セシルホテル失踪事件」事件について

エリサの失踪後、監視カメラによってセシルホテルからエリサが出ていないことが発覚。

警察はホテルの全部屋の確認や警察犬を導入するも足取りが掴めません。

事件に巻き込まれた可能性を考え、一刻を争う事態となり、エレベーターの動画を一般に公開することとなりました。

エレベーターの動画

エリサ・ラムが映るホテルのエレベーター内に設置された監視カメラの4分間の映像が公開されます。

その動画内では何かに追われているように外を伺ったり、エレベーターを出入りしたりと奇妙な行動をとるエリサ・ラムが録画されていました。

また、エレベーターのドアが閉じないという不思議な現象が見られます。

未解決事件を調べたことがある方でこの動画を見たという方も多いのではないかと思います。

この不思議な動画が人々の注目を集めました。

謎の多い事件に盛り上がる人たち

動画の公開後、人々は大盛り上がり。

また、彼女の日記として利用していたSNSから生真面目で悩みを抱えた若い女性という人物像がうかがえ、感情移入する人が絶えませんでした。

犯人は一体誰なのか?誰が彼女を殺したのか?

事件を解決するため、大勢の人が立ち上がります。

考察系Youtuberもさまざまな動画をアップしました。

エリサ・ラムのSNSを読み込み、何度もホテルに泊まりにいき、数百時間を「失踪事件」のために使ったという人も登場します。

ホテルと警察がつながって彼女に危害を加えたのでは?

政府の陰謀があったのでは?

彼女の発見された状況に酷似した曲を歌ったミュージシャンが犯人として名前が上がるようなこともありました。

事件ではないという事実

「事件現場から:セシルホテル失踪事件」事実

エリサ・ラムの遺体が発見後、警察や検察官の調査によってさまざまな事実が明らかになっていきました。

その事実は日々の推理合戦に盛り上がっていた人々に衝撃を与えるものでした。

エリサ・ラムという人間について

警察はエリサ・ラムのSNSや家族の証言からエリサ・ラムの人物像、なぜ1人旅に出たのかを調査します。

エリサ・ラムは双極性障害一型(※)を患い、投薬治療を行っていました。(※うつと躁状態を繰り返すことで生活に支障が出る症状のこと)

入院していたことや、姉の証言では時として暴走をすることや幻覚を見ることがあったそうです。

SNSからは真面目さゆえに病を恥ずかしがるような書き込みや1人旅によって自分を見つけたいといった書き込みがありました。

本来では薬を欠かさずのまなければいけない状態であるにも関わらず、旅行前に薬を減らしていた形跡があることが判明。

臨床心理士によると犯罪に巻き込まれやすい状態であったこと、論理を逸した行動を取ってしまう可能性があることが示唆されました。

実際に失踪前は相部屋の女性に対して嫌がらせのメモを送ったことも確認されています。

事件性はなかった

事件の調査結果から「不慮の事故」として扱われることとなりました。

謎だらけの未解決事件のはずなのになぜ?!と思う方も多いかもしれません。

しかし、犯罪に巻き込まれた形跡は見つからなかったのです。

遺体に外傷や暴行された跡はなく、違法な薬物を摂取した痕跡もない。

エレベーターの動画に関しても説明があり、幻覚症状によって奇妙な行動をとっていたことや彼女自身がエレベーターの「開延長」ボタンを押していたため、扉が閉まらなかったことが明らかになりました。

状況は、彼女が病で混乱し、自ら貯水槽に入ってしまったということを物語っていました。

明らかになったのはエリサ・ラムに亡くなってしまったという悲しい事実でした。

向き合わなければならない事実

考察に盛り上がった人たちによってさまざまな人が傷付けられました。

彼女の家族、ホテルの関係者、警察官たち。犯罪者扱いされたミュージシャンもいました。

彼らに落ち度はなかったのにも関わらずです。

人々は1人の若い女性が亡くなったことに目を背け、好奇心で盛り上がっていた自分自身に向き合うこととなります。

最後に彼らが自分の行いに後悔を述べていき、本作は終了します。

まとめ:感想

「事件現場から:セシルホテル失踪事件」詳細

事件になんの関係もない人々が高みの見物で好き勝手に考察して、さまざまな人たちを追い詰める行為に対して警鐘を鳴らす番組でした。

そして、謎の多い未解決事件について知りたいという好奇心から「事件現場から:セシルホテル失踪事件」を見た私のような人にも苦い感情を抱かせる内容でもありました。

「セシルホテル失踪事件」はいまだに未解決事件としてネットで取り上げられることがあります。

私自身も「怖いエレベーターの動画」としてしか知りませんでした。

でも、実際は1人の女の子が亡くなった悲しい話なんですよね。

インタビューには登場しませんが、彼女の家族が失踪時の会見映像で登場します。

娘を心配する不安そうな表情を見ているだけで辛かったです。

この事件によって陰謀論だとホテル関係者が叩かれたり、事件と関係のない人が犯人扱いされたり、辛い思いをすることになりました。

エリサ・ラムが1人の人間であって家族もいて、ホテルや警察関係者にも色々な事情があって。

実際に盛り上がっていた考察系Youtuberは言語道断なわけですが・・・。

動画を見て怖い!とかオカルトだ!とか下世話な想像をしていた自分が恥ずかしくなりました。

エレベーターの動画は知っているけれど事件の詳細はよく知らないという方に「事件現場から:セシルホテル失踪事件」はおすすめしたい作品です。

ぜひ確認してみてください。